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「…悪い松谷、風紀の仕事は加藤達が引き継いでくれるらしいから。…一端、港を連れて旅館に戻る。」
鶴ヶ城の休憩所。
…俺は、松谷に連絡を入れていた。
『巧先輩…。具合の悪い人を旅館に送るのも大切な風紀の仕事だから、此方の事は気にしなくていい。…港ちゃんに付いててあげて。』
「…悪いな。」
…松谷にお礼を言って。俺は電話を切った。
一端、休憩所の椅子に寝かせていた港を抱えてタクシーに乗り込む。
驚いて、救急車を呼ぼうとした周りの人達を目を覚ました港が嫌がった為。…とりあえず。旅館に連れて戻って、保健医に港を預けることにした。
…目が覚めたと言っても。原因がわからない以上、安心は出来ない。
゛病院゛とゆう言葉に異常に反応してる港を見ていて、思う。
…コイツは、きっと。
俺と゛海゛って子を会わせたくないんだ。
理由が気にならないと言うと、ウソになるが…。
話せる時に話してくれればいいと思う。
…これ以上、負担をかけさせたくねーし。俺は港に泣かれると、弱い。
「…会長、ごめんなさい。」
「いいよ。病人が気を使うな。」
…そう言って頭を撫でると、港は猫みたいに目を細めて。…俺の肩に頭を預けた。
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