「王と呼ばれた日」

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授業開始三分で担任がいなくなったのをいいことに、クラスメイトたちは談笑を始める。冗談じゃない。こんな和気あいあいとした教室にいられるか! 僕は先に部屋に帰らせてもらう! 「おい、何席を立とうとしているのじゃ。座れ。あと食堂に置いていったことについて謝れ貴様」 ガッ、と。後ろの席に座っているサキュバスさんに腕を掴まれた。死亡フラグは未然に回収されたようだ。 僕は席に座りなおし、 「……で、ドルフィン号についての話だが」 「何の話じゃ!? 話を露骨に逸らすでない!」 誤魔化されてくれなかった。悲しい。 「取り敢えず謝れ」 「ごめんなさい」 「じゃあ理由を述べろ」 「勘弁してください」 「謝るところではないぞ!?」 いや、本当に勘弁してください。たぶん周りに視線が痛かったと言っても、サキュバスさんは納得しないだろうから。
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