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幾度となく音をあげる成田を抱き上げて、どこまでも飽きたらない欲望に、ぐったりとした身体をベッドに運んだ
「イチさ……」
かすれた声ですら艶やかで、その唇をふさいでまた腕の中に閉じ込める
狭いシングルベッドが今にも潰れそうな音をたてて、まるでこの数年間のはらいせみたいに成田をいじめる
どれだけそうしても
――どこかでまだ納得がいかなくて
何かが引っ掛かったまま、飽きる事なく続く、長い夜
いつだってそう
心の風穴が常に埋まらなくて
その穴を埋めるように、成田の身体に自分を混ぜこむ
きっと
自分の想いが強すぎて
どうやったって埋まらない
成田がいくら俺に好きだと言ったところで、それを信じられない俺がどこかにいて
――結局、吐き出せない自分の気持ち
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