TrueEpisode1【違和感】

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                 ●  長い、長い夢を見ていた。  僕がいた世界はとても有り得ないほど『非現 実』に満ち溢れていて、毎日が大騒動。  だけど……。  それが刺激的で飽きなかったことも確か。  楽しかった。家族と過ごし、学園で学び、騒動に巻き込まれて。  誰よりも“普通”を求めていたのにも拘わらずに、だ。  ずっと、こんな平和な日常が続けばいい。  そう、これからも────。 「…………ぅ」  朧気な意識の中、唐突に覚醒した。  カーテンの隙間から覗く朝日が、開きかけた瞼の奥──瞳を刺激する。  うっ、と。掌を翳(かざ)しながら、ゆっくりと上体を起こして彼は起き上がっていた。  気だるさが残るものの、清々しい朝だと思え た。  寝汗で着ていたシャツが肌に張り付いてはいたが、この程度ならば問題ない。 「……シャワーでも浴びよう」  サッと軽く水浴びでもして汗を洗い流せば、よりスッキリと目が覚めるだろう。  ぐいーっと、腕を伸ばしながら柔軟してベッドから立ち上がった。
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