小沢先生と私

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慌しく始まった打ち合わせは滞りなく終わり、木戸先生も今回はあっさり帰っていった。 「岡本さんを食事に誘いたいところなんだけど、これからまだ1件残っててね。また次回」 「はい、お疲れ様でした」 また連れまわされるのでは? とドキドキしていたけど、それも杞憂に終わった。 同じように課長も心配していたらしく、木戸先生の姿がエレベーターに消えたと同時に大きなため息をこぼした。 「課長もお疲れ様でした」 「あぁ、君もな。どうも木戸先生は熱心すぎて疲れるな」 「確かに仕事一筋って言うか、いい意味で建築バカって言うか……。仕事仲間としては、頼りになりますけどね」 「手厳しいな」 2人でクスッと笑って、オフィスに戻る。 あんなに早くから始まった打ち合わせも、終わってみればもう5時を過ぎていて。 どうりで疲れているわけだ。 自分のデスクに戻った時にはもう無表情の課長。 切り替えが早い。 .
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