64人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ
「彼、雪乃のこと好きなんだろう?」
俺が尋ねると雪乃は不愉快そうな顔をしてこちらを見る。
「そうみたいだけど、私体育会系の人苦手だし、それに川上くんはやり方がウジウジしてるから嫌い」
「ウジウジって?」
そう尋ねると、雪乃はふーっ。とため息をついて一息に言う。
「小学生の女の子みたいなんだもん。私の視界に無理に入ろうとしたり、私の友達に私の事を色々聞いたり。聞きたいことがあるなら直接聞けばいいでしょう?」
俺はクスクスと笑った。雪乃がムッとする。
「どうして、笑ったの?」
「いやあ。なんだかんだ言っても高校生なんだなあって思って」
何だか俺の知らない雪乃の日常がかいま見れて嬉しかった。川上くんにはお気の毒だけど。
雪乃はさらにムッとした表情をした。
「子ども扱いしないでって言ってるのに!」
「子ども扱いなんてしてないだろ? ただちょっといつもと違う姿が見れて嬉しかっただけ」
そんなことを話していると、とうとう乗り物の順番が回ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!