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ずっと続くと思っていた平穏な私の日常を大きく揺るがす出来事が起こるなんて、思いもしなかった。
始まりは短大時代の友人、竹林 明里(タケバヤシ アカリ)からの一本の電話だった。
『凜子に紹介したい人がいるんだけど』
何の前置きもない突然の明里の言葉に私は咄嗟に言葉が出てこなかった。
「え? ちょっと待って、急に何!?」
動揺を隠しきれず、吃(ども)り気味に何とか返すが頭は混乱したままで話がまるで見えてこない。
『何って、前に詩織の家に集まった時に言ってたじゃない。誰か紹介してって……』
電話の向こうでは明里が寝ぼけないでよと軽く笑う声が聞こえてきた。
そう言われてみれば確かにそんなことを言った記憶があった。
あれは1か月前の事。
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