第1話

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海を眺めると、積乱雲が水平線から大空へ向かってせり出ている。 蝉のやかましい鳴き声を耳に、私は汗を拭った。 全く、こんな真夏に学校へ行くなんて嫌になる。 しかも、自転車に乗らなければいけないなんて。 あと十分か、思わず溜息が出る。 そんな私の前に、突然、赤髪の外国人少女が現れた。 「うわッ!?」 思わず自転車ごと倒れる私を、別の誰かが支える。 「あ、すみません……」 そう言って振り返ると、眠そうな顔をした外国人の男性と大柄の男性が立っていた。 「え、あ、ソーリー……」 私のぎこちない英語にクスリと笑った男性は、 「日本語、大丈夫だよ。 すまないね、うちのフロワが驚かしたようで。 怪我はないかい?」 フロワ、赤髪の少女のことか。 そう判断した私は慌てて手を振る。 「だ、大丈夫です! お気遣いありがとうございます!」
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