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エルト「は、ぁ、はぁ、みんな無事でいてくれ……!」〔息を切らしながら、扉を開け〕    「……う、そ、どういう事だよ! なんで…みんな倒れて……」    「! ワカセ! お前は大丈夫なのか!?」 ワカセ「……ああ、もちろん」 エルト「何があったんだよ! なんでみんな倒れて……ワカセ?」 ワカセ「どうしたんだよ」 エルト「なんで、笑ってんの……みんなが死にそうなのに……!? な、ぁ、それ……」〔ワカセの持っている剣に気づき〕 ワカセ「? この剣がどうかしたのか?」〔きょとんと首を傾げ〕 エルト「なんで、血まみれなんだよ……そういえば、なんでワカセだけ無事なの……」〔呆然と呟き…〕 ワカセ「酷いな、その言葉。まるで怪我した方が良かったみたいな」 エルト「い、いや、違うよ! ワカセが大丈夫なのは嬉しいよ! でも……」 ワカセ「まあ、当然か。みんなは俺が殺ったし」 エルト「えっ……」 ワカセ「ほら、こんな風にね」〔にこりと笑って、剣を振りかざし〕 エルト「!? ワカセ、止めろっ!!」〔慌てて止めようと声を荒げるが〕 アリカ「う、くっ……」 エルト「あっ、あ、あ……」〔目の前の事が信じきれない〕 ワカセ「……こんな風にみんなを刺して、殺ったって訳」〔なんでもない様な感じで言い〕 エルト「う、そだ……そ、んなの嘘だ……」    「そ、うだ、魔王……魔王は!?」〔現実から目を逸らす様に、突然話を変える〕 ワカセ「……魔王は俺だよ」 エルト「……な、に言ってんの、さっきから……おかしい……おかしいよ!」 ワカセ「それ以外に、俺がみんなを殺る理由なんてないでしょ」〔なんで分からないかな、と肩をすくめる〕 エルト「! 分かった……お前は魔王なんだな!  ワカセに化けて……みんなを……!」
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