『若恋』一度だけのキス

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もう二度と。 告げることはない。 ―――だから 今だけは――― 若の愛するひとにそっと顔を近づけていく。 自分の夢を見てくれて泣いてるひとを。 愛しくて。 触れたくて。 触れてはもう後にはひけないのもすべてわかっているのに。 自分の奥底の魂が解放を望んでいる。 豊かな黒髪。 長い睫毛。 柔らかな頬。 薄いくちびる。 触れてはいけないそのくちびるに。 自分を押し当てた。
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