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美希はチケットをヒラヒラさせ、二階に駆け上がった。
海翔の歴史的瞬間?
ナイナイ、絶対にナイ。
明日は塾の模擬テストだし、前回サボったから、もうサボれない。
国見高校に行く為に、あたしも少しは勉強しないとね。
でも…本当は少しだけ、興味はあった。ステージに立つ海翔がどんな演奏をするのか、聴いてみたい気持ちはあった。
けどそれは、あくまでも怖いもの見たさ。奇跡が起きてグランプリを獲れたとしても、あたしが海翔と付き合うなんて絶対にあり得ない。
だってあたしは…
今も…空翔のことが好きだから。
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