時は流れ…

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美海が友達と絶交してから10年。 美海は高校3年生になった。 18歳。 卒業してから何をするのか? 毎日悩んでいる様だ。 僕は?と言うと、美海と出会った時には美海より年下だったのが今では美海よりも年上。 美海だけじゃなくママよりも歳を取った。 人間で言ったら約65歳。 還暦はとうに過ぎ、段々と動きが鈍くなっていく自分に毎日驚いている。 声だって昔の様に透き通った声ではなく、濁った様な声になってしまった。 もう一つ言うと、目が霞んで(かすんで)物が見えにくい。 人間とは違って、年齢も老化のスピードも早い。 「ねぇ、コタマ。」 ベランダをボーッと見つめ、僕を呼ぶ美海。 心、此所にあらずって感じだ。 「にゃ?」 「あのね、実は今日…お家に帰る時の事何だけど…。」 言いにくいのか、時たま考える様に言葉を濁す。 それに…何故か顔が紅(あか)い。 風邪でも引いてしまったのだろうか? それとも気分が悪いのか? 心配になった僕は美海の膝に乗り、美海の顔を伺う。 「みゃぁ~。」 「ん?」 僕を見て首を傾げる。 いつもと同じ、美海の顔。 うーん…顔が紅く見えたのは夕陽のせいだったのかな。 そう思った僕に、美海は驚く事を口にした。
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