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「……なあ、本当にキスか胸じゃないとダメなのか?」
「だーめっ!」
そう、昨日アルはシェリスに対して散々交渉を行ったのだが、結局受け入れられず、シェリスの要求を呑むしか無くなったのだ。
その背景には『胸と唇以外から吸収したら、思いっきり魔力送り込んで殺してやるから』というシェリスからの脅迫があった事も付け加えておこう。
そして更に……
「あと、本当に学校に来るのか?」
「当たり前じゃん。夫婦揃って登校~♪ 楽しみ楽しみ♪」
そう、アールグラッド魔法学園は、使い魔を連れて来ることが許可されている。
召喚術の授業もあるのだから、まあ当然だが。
そのため、シェリスはアルと一緒に学校に行くといって聞かないのだ。
そうなっては、アルに拒否権などあるはずもない。
喪失の魔姫になつかれてしまったという不運を嘆き、泣く泣くシェリスと共に登校するしか無くなってしまったのだ。
「分かったよ……。じゃあ、魔力貰うぞ」
「うん♪ 最初は私がリードしたげるから心配しないで」
そう言って、シェリスが自分の胸にアルの右手を導く。
「……エクリプス・ドレイン」
「ふあぁぁぁぁ!!」
その言葉と同時に、ビクンッとシェリスの身体が跳ね上がり、その瞳が艶を帯びた。
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