プロローグ

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もちろん、その合コンは大失敗 そのあとの中学生活も、なんとなくその失敗が後を引いて、どうも積極的になれず いわゆるところの灰色の中学校生活を俺は送ってきた 女の子とは、遊ぶどころか、ほとんど話もしなかったのではないだろうか それは、灰色と呼ぶに値する、何ともジメジメした生活だった だから、晴れて、高校生になった俺は、こう思った 「高校デビューだ」と 高校からは、何事にも積極的に取り組んで、バラ色の高校生活を送るんだ、そう思ったわけだ ここまで聞いて、如何だろうか 何とも平凡で、凡庸でノーマルな高校生の姿が、脳意に浮かんだのではないだろうか そのイメージで結構だ 俺は、平凡な高校生として 平凡なバラ色の高校生活を送るべく たった今、目の前にある神原私立第一高等学校の門をくぐった ひらひらと舞っているサクラの花びらを眺めながら、俺はこう思うのだった 「今度は、アインシュタインはやめとこう」と
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