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「どうしたんだよ、樹利。今日は、バイト休みだろ?」
店内で伝票の計算をしていた隆は、自分のの出現に目を丸くした。
何も言わずにソファーに倒れこむように座ると、
「なんて顔してんだよ」
と隆は心配そうに目を細めた。
「……隆は知ってたのか?」
「えっ?」
「リンが……俺の姉だってこと」
そう漏らすと、隆は切なげな表情を浮かべた。
「知っちゃったのか」
「……やっぱり知ってたんだな。そんじゃあ俺、バカみたいだっただろ?隆は、知ってたんだろ?
俺がリンのこと好きだったの……知ってて……見てて、どうだった?笑えたか?」
投げやりに言い放つと隆は唇を噛み、強く抱き付いて来た。
「……隆?」
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