452人が本棚に入れています
本棚に追加
/286ページ
「うん、だって雲外鏡が見てそう思ったなら、疑うつもりは無いよ」
『しかし、洋輔……』
「大丈夫。旋風の家族が、不死城にいるのは分かってた。大妖のやり口からして、そろそろ鎌鼬を送り込んでくると思ってたから」
洋輔には、この話しを信じる材料がもうひとつある。
大入道との戦いの中、旋風の鎖鎌が神奈の呼び掛けなかった。洋輔は、それ旋風の家族が、城下町にいた事が影響していると考えていた。
「では、洋輔さま。次に攻めてくるのは、鎌鼬だとお思いで御座いますか?」
「うん、神奈ちゃん。僕は、そう思ってるんだ」
「そうで御座いますね」
神奈も、それに納得した。
主の意見だからという事もあるが、洋輔の説明に純粋に納得したからだ。
次は、鎌鼬。
洋輔は自身の中でそう決定付けると、これからの戦いに考えを巡らす。
その時、大地が鳴動する。
「えっ、何だ?」
『不死城の方で、大妖の妖気が膨れ上がっておるぞ』
「洋輔さまっ」
「あぁ、神奈ちゃん」
二人は、小屋から飛び出す。
最初のコメントを投稿しよう!