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それで、どれだけの事が分かるのか。
それでも、聞く価値はありそうである。
『おぉ、そうじゃ。もうひとつ、分かった事があったんだった』
「もうひとつ?」
『不死城の城下町で、ある妖の姿を見たんじゃ』
「そんな、勿体つけた言い方をしなくてもいいから、どんな妖を見たのか教えてよ」
『はっきり見た訳じゃないが、あれは鎌鼬だったように思う。それも、二体』
「えっ……」
その情報は、二人を驚愕させるに十分の内容だった。
二体の鎌鼬。
それは、旋風の家族の鎌鼬であるのは、恐らく間違いないだろう。その二体を捕らえられた為に、旋風は大妖の言いなりになって、妖気を受け入れ洋輔と敵対した。
それは、ずっと気にかけていた事である。
二体の鎌鼬は無事な状態で、不死城の城下町で目撃された。
「それ、本当に鎌鼬だよね」
『あぁ、恐らく。ただ、見掛けただけだから自信が無くてな、だから話すのを控えておったんじゃ』
「でも、鎌鼬で間違いないんだろうな」
『まさか、それを信じるつもりなのか?』
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