20 開戦

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目玉は虫が這いずるかの様にあらゆる方向へ動き、一目で感染者と判別できるが、それ以外は…特に!歩き方は正常な人間らしく… そこいらの感染者と何かが異なっている… 突如動き出したEVに… 男の視線にそれが止まる。 男は階数が上昇する数字を眼で追うと!それは32階で停止した… 32階 ??貿易センター本社 2時22分 チーン!エレベーターの到着音が鳴ると扉が開き龍谷達が姿を現した。 踏み入れた途端フロアーは暗闇に包まれている… 龍谷「芹沢!無線は一時絶つ、すぐにこっちから連絡する」 芹沢「ザァー!了解ザザザ!」 龍谷「行くぞ!」  通常の人間なら、手探りで進まないと歩けない暗闇に! 龍谷達は灯りも無しで!奥へと進んで行った。 敵が何処かに潜んでいるかもしれない… この暗闇も敵が故意に作り出したものかもしれない、どんな作為的な罠があるかも分からない…そんな暗闇に紛れ何処からか襲いかかってくるとも知れない… 普通の人間ならそんな疑心と恐れから躊躇するものだが! 龍谷達4人は、違っていた…それが無かった! 堂々とした足取りで龍谷が先頭に立ち暗闇の中、奥へ奥へと突き進んで行く EVの扉が閉まると、明かり一つ無い完全なる黒の世界に変わり、目隠しされた様に一切の視覚が無と化した。 仲間の姿も、自分の腕や指さえも確認出来ない漆黒の闇の中、4人が歩く度ガラスの破片を踏みつける音が聞こえてきた。 エレナ達が故意に電球を破壊し暗闇を作りだしたと龍谷達はすぐに確信する。 健太とキラーは、この暗闇の中無闇に発砲したら、仲間に誤射する可能性がある為拳銃を一旦懐へしまい!武器を変え始めた。 そして双方ナイフへと持ち替えた。  龍谷は、恐れの感覚が麻痺してるのか? 単にイかれているのか? まるで全てが見えてるかの様に揚々と突き進んでいる。 そして!龍谷が曲がり角へ差しかかった時だ! 通路の奥から、一筋の明かりが見えた。 龍谷は、それを目にすると突然走りだし乱暴に扉を開いた。 どこにでもある平凡なオフィス、龍谷は辺りを見渡すが誰の姿も見当たらなかった。
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