一日限定! セイムがまたもや教鞭を握ります!

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所詮人は自分とは異質な何かに怯えてしまうのが普通。異質な何かはそんな人間を見下してしまうのも普通。 だからこそ、人は人でいられるんだけどな。誰かを見下し見下され成長していく。そんな人が大好きだ。 「父様…………」 それより、なんかエリーがキラキラした目で見てくるんだが。確かにエリーが孤立とかしないようにフォローはしたが……そこまで尊敬しなくてもな。 俺はそんなエリーを無視して、教壇を壊れないように弱く叩く。それでも大きな音がなるので、皆の視線は俺へと集まる。 「今日は俺が臨時で担任することもあり…………時間割りを変更させてもらう。神帝王の俺に反論なんて出来ると思うなよ?」 反論しようとしていたSクラスのビッチ勢を黙らせる。 権力ってサイコー。 「午前中は闘技場で俺が直々に戦いを教えてやる。午後は使い魔との連携を試してもらうからな」 俺の言葉にクラス内がざわめく。神帝王に教えられると聞いて嬉しそうにしている奴ら、使い魔との連携と聞いて苦い顔をする奴ら、俺との戦いを嫌がるセイアとエリー。三者三様と言っても過言ではない反応を見せてくれた。 よし、セイアとエリーは特にしごいてやろうか。 「そんじゃ、1時間目開始だ」 俺は空間の境を弄って皆を闘技場へと移動させた。皆は目を丸くしていたが、俺は相変わらずの主人公スキル、無視を発動して説明するために口を開く。 「出席番号1から……と、言いたいところなのだが、そんなまどろっこしいのは抜きにして、全員対俺一人だ。さっさとかかってこい」 俺の話に着いていけなかったのか、一人も攻撃してこない……なんてことはなかった。 「…………ちっ」 黒いローブで身を包んだ生徒の一人が剣で首に斬りかかってきたのだ。俺の持ち前の硬さで効きはしなかったが、学生にしては速すぎる速度と、俺の話にいち早く反応して斬りかかる判断力。 流石、風帝だな。 「ほら、手加減なんてせずに全てをさらけ出せ。じゃないと傷ひとつつけられやしないぜ?」 「分かってますよーだ。神帝王がどんなもんか小手調べをしただけです」 そう言ってる間にも風帝の魔力がどんどんと洗練されて高まっていく。ちなみにエリーとセイア以外は、この魔力に当てられてもう気絶している。 ……実技の成績は、最低っと。
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