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何時からこうして漂っているのだろうか……。 分からない……。 分かるのは……自分が手漕ぎの小さな小舟に何人かと乗っているという事だけ。 辺りは……墨を溢したような闇が広がるばかり。 上も下も何もかもが闇に埋もれていた。 いや、そうとばかりも言えない。 船首に吊られた小さな灯火が幾つか闇の中に浮かび、闇の中の波を辛うじて映す。 それらは自分が乗っているのと同じような小舟に点された小さな灯火。 勿論自分の乗る小舟にも点されている。 誰も何も喋らない。 いや……そもそも共に乗る者達が、男なのか女なのかも判らない。 この闇の中、小さな灯りでは何かを判別すら出来ない。
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