第十五章

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「ええ、ですから、廃品回収業者が廃棄物の不法投棄までしてしまったのか、それともミックスジュースの業者が不法投棄をしたのかってことなんですが。」 「ああ、それはな、ちょっと違いますな。廃品回収をやっとったとこが不渡りを出したんやな。そいで人手に渡ってしもて、そこがどでかいフェンスを立てよって、出どころがようわからんゴミみたいなもんを仰山持ってきよったんや。 そんで、最近になって土地を取り戻したんやな。犬の飼育を始めたのはそれからや。ミックスジュースを始めたのは、その後やったんやないか。…ああ、そやから、廃品回収の業者は不法投棄はしとらんのやな。」 「ああ、そういうことですか。うん。…えーと、お嬢さんが犬を連れてきたそうらしいんですが、ご存知ですか?、」 「娘さん?、娘さんの話は、不法投棄とは関係ないやろ?」 「えーと、この土地のことで揉めてたそうなんで。えーと、だから、犬の飼育を始める前に、廃棄物をどこかへ持って行ったわけですよね?」 「揉めてた…。仲のええ三姉妹やと聞いとったんやが…、不渡りを出した頃、生活が苦しくて、京都と神戸の知り合いに預けられて、疎遠になってしもたんかな。」 「三姉妹ですか。…もしかして、犬の飼育とミックスジュースは、一人の女性がやってるわけじゃなく、別々にやってるんですかね。 一つの家族が廃品回収も豚まんもミックスジュースもやってるっていうわけではなく、三姉妹の一人一人が、それぞれで犬の飼育をやったり、ミックスジュースをやったりということですかね。 …あ、それで、あそこに山積みになってた廃棄物は、犬の飼育を始める前に片付けたんですね?」
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