494人が本棚に入れています
本棚に追加
/82ページ
シチューを食べていると、ベットで寝ていた男の子が目を醒ました。
「ん…良いにおい…
…ッ
あんた誰?!」
起きたと思ったら、警戒心剥き出しで可愛い詰問をしてきた。
「俺は、商人の楼・片梨だ。
お前が近くで倒れてたから、寝かせてやったんだ。」
「あ、そういえばいつの間にか意識が無くなったんだ。
僕は、ヤナって言うんだ。
楼さんだよな、助けてくれてありがとう。」
「どういたしまして。
ここ座れ。
お腹空いたろ、食べな。」
楼は座ったヤナにシチューをよそって渡し、シチューを食べ初めた。
「ありがとう!
……美味いよ!!
何て言う料理なの?」
「あぁ、シチューって言うんだ。
美味いだろ?
まだあるから、食べろ。
食べたあと、なんでこの森の中にいるのか、教えてもらうからな。」
「…わかったよ。」
ヤナは一瞬暗い顔をして食べた。
二人が食べ終わり、食休みしていたときにヤナから話し出した。
「…僕、森の西にある村に住んでたんだ。
昨日僕は村の外れで木の実を取ってたんだ。
夕方になってカゴ一杯になった木の実を持って村に帰ったら
森に住み着いた山賊が村を襲ってて、急いで家に向かったらお父さんが山賊と戦ってて、僕を逃がすために背中を切られちゃって…
逃げろって言われて森に逃げたんだ。」
「……そうか。
ヤナ、お前村の方向分かるか?」
「え…?
分かるけど…」
「村に行ってみよう
もしかしたら女性は助けられるかも知れない。
そうと決まれば行くぞ」
楼は、ベッドと畑に不可視とバリアの魔法をかけてレクサスを出した。
ヤナを掴むとヤナに道案内されて村に急いだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!