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舞が地面に剣を突き刺した後、大きな爆音がした。
俺は驚いて目を見開く。
見ると舞は黒い炎に包まれているじゃないか。
舞に近づこうとしていた実体の朝霧はその炎を少しくらったらしく、驚いたのか動きが止まっていた。
……どうなってやがる!?
火の壁を作るんじゃなかったのかよ!!
こうなった理由を考えるよりも先に体が動いていた。
霊体の朝霧が舞に駆け寄ろうとするのを大声で止める。
「朝霧、テメエは自分の体を取り戻すことを優先しろ! じゃないとすべてが無駄になるっ」
「あ……すみません。はい! ……わかりました」
俺はそのまま走り、突っ立っている実体の朝霧を蹴飛ばす。
「どけっ! 邪魔なんだよっ」
そして上着を脱ぐとそれで頭部を保護し、燃え盛る黒い炎の中に勢いよく飛び込んだ。
そしてそのまま顔を両腕で庇い丸くなっている舞を突き飛ばし、守るように覆い被さった。
クソ野郎……!
どうしてテメエはいつも無茶ばっかりしやがるんだよ……!
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