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行為を終え、しばらくベッドで息を荒くしていた少年はいつしか、その瞳を閉じ、小さな寝息を立て始めた。
彼の寝顔を眺めながら、煙草を口に咥えて火を点けた。
ゆらゆらと立ち上る煙を眺めながら、
さてどうしたものか、と苦笑した。
“そう思っているなら、相手しろよ。
姉の身代わりなんだろう?”
そう告げた時は正直、本気で言ってはいなかった。
怒りにかられて、その感情をぶつけたまでだ。
突き飛ばされて逃げ帰るかと思っていた。
身体を張って責任を取った彼に、自分も応えなければならないだろう。
そう思い、今一度彼の寝顔を見た。
長い睫毛(マツゲ)、美しい横顔。
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