752人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
「…麻里子。
そろそろ起きなきゃ」
「うん…でもまだ眠い」
まだ火照った身体の余韻に浸っていたいのに。
彼はそれを許してくれない。
「こらこら、もう朝御飯作ってよ。
遅刻しちゃうだろ?」
「うー…意地悪」
結婚して20年目の結婚記念日の朝。
私と夫の和人は目覚めと同時に肌を重ねた。
と言っても、お互いもう45歳。
こんな事は普段では絶対ないし、前回和人と繋がったのはもう2ヶ月も前の話。
けれどその朝は、何故か和人がまだ眠っていた私の身体に微熱を重ねて来た事で、こんな朝を迎える事になった。
ベッドの中でもぞもぞと動きながら下着を身に着ける私に、和人は呆れたように呟く。
最初のコメントを投稿しよう!