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「この野郎!!」
自分の意志とは裏腹に
すっかり言う事を聞かなくなった体――。
「ちょっ……待てって……!」
刃物片手に襲いかかってくる相手を目の前にして
情けなくもすとんと腰が抜けた。
人間の防衛反応。
僕は顔の前で両腕を交差して
固く目を閉じた。
その瞬間。
『グキッ――』
無理やり何かを捻じ曲げるような
えげつない音がして。
「――ギャアァァッ!!」
ごく間近で。
耳をつんざく断末魔の叫び声が聞こえた。
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