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昼になる。空に昇る太陽が仄かに肌を焼き、爽やかな風が流れた。
地上の青は強烈で、目が覚めて広がった色に吐き気を覚えて口を塞ぐ。
「……耐性出来てねーじゃねーか」
ポケットからサングラスを取り出し、顔に装着して軽減させ、身を上げる。
辺りを歩く人々の視線を浴び、どうしたものかと少し考えた。結果、面倒だからと気にせず歩を出した。
何故俺が外で寝ていたかと言えば、それは勿論女主人様に話が終わった後に『出ていけ』と言われたからだ。
だから、女主人の家から離れて、人気がない路地で寝ていた。時季は恐らく春位だろう。体感的に夜は若干冷えるが、寝れない訳じゃない。
サングラスの視界。赤を帯びた視界に目を据えたまま運動靴を前に繰り出す。
目的としては佐藤政治を殺す事だ。特に他に別に目的や目標がないので従っていた。
「……しっかし、改めて見ると何でこんなに青いんだよ」
足を暫し停止させ、辺りを伺う。活気はあるものの、何を喋っているか分からないし、露店の文字は読めそうにない。
会話に入る事も出来ないし、俺としては貴重な情報源になるだろう佐藤政治も此処にはいなかった。
地道に探して、見付けたら殺す。それは揺るがないが、さてどうしたものか。
車にガソリンがないみたいな気分だ。
直向きに青い街を歩き出す。
影とやらも、女主人曰く午後十二時から四時までしかいないと聞かされたが、あれが何なのかまでは聞かされていなかった。
友好的でないのは嫌でも理解してるし、異常性があるものだとも思う。俺と分類が似てはいるが、根本的に全く違うだろうし。
そもそも、影とやらは説明出来ないと言うより、説明し難いだけだ。
俺もそれを言ったら簡単に表現出来るのだが、中々どうしてしたくはない。
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