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私はお言葉に甘えて藩邸に戻ることにした。
「蓮くん、久しぶりだね。」
私の目の前に真っ黒な装束に包まれた蓮くんが現れた。
その様子は怒っているように見えた。
「復讐、止めたのか?」
「………分からない。でも、殺した人は必ず見つける。」
見つけたあとのことは今は考えていない。
きっと、今考えても土方さんの時みたいになってしまうから…
蓮くんは興味無さそうに返事をして先を歩いている。
「桂さん、お久しぶりです…」
「朔……なんですね?無事で何よりです。」
桂さんは柔らかい笑みを浮かべて出迎えてくれた。
でも、禁門の変以降長州の活動は制限されている。
それどころか、桂さんはあっちこっち逃げて暮らしているような状況だ。
だから、私が藩邸に戻って会えたなんて凄く運がいい。
「桂さん、私は壬生狼に残ります。それで厚かましいお願い…なんですが……」
「いいじゃねぇか。いつでも帰ってこいよ。朔の家は此処だろ?」
晋兄がいつの間にかいた。
そして、ニッと笑った。
私は晋兄に飛びついた。
「会いたかった……。晋兄…!」
前に来たときはいなかったから。
晋兄は私の頭をポンポン撫でてくれる。
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