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「三家連帯責任制?」
「例えばオレとお前と勇者パーティーが同じグループに属していたとして、だ。
その中でリリーが決まり事を破ったとすると、連帯責任でオレ達全員が罰を受ける。
自分はやってないのに、同じグループというだけで罰を受けるのなんて嫌だ。
だからグループ内で決まり事を破る奴がいないか監視するんだぜーって言う制度だよ。
ほら、複数人が固まって歩いてるのが見えるだろ?」
言わなければ気付かない程度だが、
ミサへと向かう黒いローブの群れは大体3家族くらいの人数で固まり歩いている。
他のグループとの間は半歩程度だろうか。
「フードで隠れて顔が分からないとは言えグループの人数は把握してる訳だし、
上手く交換できても身長とか仕種に雰囲気は真似できない。
絶対に罰せられたくないから、少しでも違和感を感じられると直ぐ様人を呼ばれる。
そうなれば国一つの鬼がいる鬼ごっこの始まりさ。」
「ち、因みに罰の内容は?」
かなり酷い内容を想像しているのかサンドリヨンの声は引きつっているが、
多分それも"前座"くらいにしかならないだろう。
オレは雰囲気を出すために間を空け、
「破った規則の重要度にも依るが…………一番件数が多いものだと、
解放された後"2週間は労働を免除される"くらいのものとだけ言っておこうか。
それとも、具体的に聞きたいか?」
サンドリヨンは変態であるが馬鹿ではない。
今のオレの言葉で相当酷いものなのだろうと分かってくれたらしく、遠慮しとくよと首を横に振った。
「あの集団の中に紛れ込めないとしたら、どうすれば良いのさ?
暇だし狂った宗教のミサがどんなものか見てみたいよ。」
「安心しろ、昨日の内に近くで見れそうなポイントを数ヵ所抑えてる。
3秒でお腹一杯になるクソどうでも良い前置きも聞き逃したくないなら、急ぐぞ。」
灯台下暗しならぬ、灯台上暗し。
オレ達は今、ティタン神教会の本部である大聖堂──と言うより要塞の物見搭の屋根の上にいる。
丁度、ティタン神教会のお偉いさん達が序列順に前から並んでる壇の真上ら辺だ。
そしてその壇の周りには、見渡す限りの人間。
その誰も彼もが黒いローブを纏っているので、早くも気持ち悪くなって帰りたくなって来た。
「しかし気付かれないもんなんだね。
堂々とし過ぎててハラハラしたよ。」
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