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その後は特に何事もなく運ばれてきた昼食を食べた。
食器はその場に置いたままでいいので楽だ。
カズがスマホを持って腰を低くし、扉へ向けて構えた。
「そぉろそろくるぞー」
「何がだ?」
「萌えイベントだよ!王道では欠かせない食堂イベント!これで全てが決まるようなものさ」
「何が決まるの?」
「王道くんが総受けになるかだよ。でもあの子アンチっぽかったから、平凡くん連れてたらきっと、てか絶対アンチだろうなー」
うん……全然わかんない。
でもカズが前にも同じようなこと聞いたとき、知らなくていい事だと言っていたので聞かないでおく。
どうせ聞いても教えてくれないのだから。
「瘋斗、今日僕の部屋来れる?」
「うん、全然。寧ろ喜んでだけど………なんで急に?」
「いや、特に理由はないんだけどね、久しぶりに二人で遊ぼっかなぁって思ってさ。駄目?」
「ううん、嬉しい」
「よかったぁ」
断られたら少し落ち込んでたかも。少しだよ、ほんの少し。そんなに弱くないからね、僕は。
「ぅおぉおお!こんな近くで萌える会話がっ……くっ、お鼻が熱いぜっ」
鼻を抑えながら叫ぶカズ。
でもやはり誰も気にしない。気にする気もない。
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