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好きだと言われたこともない。 いくら思わせぶりでもそれは受け手の問題で、当人がそれを否定すればただの自分の独り相撲。 そう……、独り相撲だったんだ。 全部。 「……」 ……よかった。 盲目的な勢いで来週告白するところだった。 よかった。 悲惨な振られ方をする前に、こうやって気付けて。 よかった……。 ホント、……よかった。 「っ……」 本当に恋をするとこんなふうになるんだ、私。 まだ少し嗚咽の残る私を、第三者の目で見ている私がいる。 その日、時峰は私の部屋には戻ってこなかった。     
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