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…先生ってば…。
…絶対わたしの不機嫌モード、面白がってるし…。
…しかも今、地味に痛かったし…。
頬をすりすりとさすり、先生の顔を非難の目で見たけれど、…敵は平然とわたしを見返し、薄く笑いを浮かべている。
…うわぁ…。
楽しそう…。
「…俺、なにか悪いこと、言った?」
セリフの後に音符マークがついていそうな問いかけ。
わたしはあまりに悔しいので、思い切って黙殺することにした。
長い長い沈黙。
…つまらないことに腹を立てている自分…。
…小さい…。
しかも、がんばって怒りをアピールしてるのに、面白がられちゃってるのが、めちゃめちゃ虚しい…。
…で、でも…っ。
これだけは。…これだけは声を大にして言いたい。
…決して、大きいわけじゃないよ?それは自分でも分かってるけど、でも…。
Aじゃない。
断っじて、Aカップでは、ない。
ここは、…先生に誤りを認めさせ、絶対に反省を促さなければ。
鼻息荒くそう決意したものの、…わたしはいきなり大きな壁にぶち当たっていた。
よく考えたら、…面と向かって、『お前、Aカップだろ』って言われたわけじゃないし…。
あれはあくまで、架空の『春山先生のカノジョ』についてのコメントだから、…わたしがへそを曲げるのはおかしいわけで…。
こんな風にウジウジ考えているうちに、時間だけが刻々と過ぎ、すっかり日が傾いてしまった、というのが今の状況だった。
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