-4-

3/9
1149人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
 …先生ってば…。  …絶対わたしの不機嫌モード、面白がってるし…。  …しかも今、地味に痛かったし…。  頬をすりすりとさすり、先生の顔を非難の目で見たけれど、…敵は平然とわたしを見返し、薄く笑いを浮かべている。  …うわぁ…。  楽しそう…。 「…俺、なにか悪いこと、言った?」  セリフの後に音符マークがついていそうな問いかけ。  わたしはあまりに悔しいので、思い切って黙殺することにした。  長い長い沈黙。  …つまらないことに腹を立てている自分…。  …小さい…。  しかも、がんばって怒りをアピールしてるのに、面白がられちゃってるのが、めちゃめちゃ虚しい…。  …で、でも…っ。  これだけは。…これだけは声を大にして言いたい。  …決して、大きいわけじゃないよ?それは自分でも分かってるけど、でも…。  Aじゃない。  断っじて、Aカップでは、ない。  ここは、…先生に誤りを認めさせ、絶対に反省を促さなければ。  鼻息荒くそう決意したものの、…わたしはいきなり大きな壁にぶち当たっていた。  よく考えたら、…面と向かって、『お前、Aカップだろ』って言われたわけじゃないし…。  あれはあくまで、架空の『春山先生のカノジョ』についてのコメントだから、…わたしがへそを曲げるのはおかしいわけで…。  こんな風にウジウジ考えているうちに、時間だけが刻々と過ぎ、すっかり日が傾いてしまった、というのが今の状況だった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!