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シャーペンをころりと転がして、わたしは大きく伸びをした。
そのまま身体を反らせ、逆さまに目に入った時計は12時半を差している。
明日は土曜日だし……今夜は2時か3時くらいまでは頑張れそうだ。
…ちょっと、休憩しよう…。
わたしは立ち上がり、ベッドの中をゴソゴソと探って指先に触れた携帯を引っ張り出した。
勉強に集中するため、最近はいつもこうやって携帯を布団の中に押し込むことにしていた。
見ると、メールが2件、届いている。
わたしは目をキラリと輝かせ、携帯を開いた。
『はるきち』
…やったあっ。
ぴょん、と飛び上がり、ワクワクしながら見てみると、
『今日は寒いから、風邪をひかないように暖かくして勉強すること。あと、塩分の取り過ぎも頭皮に悪いよ』
「……」
…もう…。
わたしは一人で顔を赤くしながら、今日のお礼を含めた内容を返信した。
…わたし、そんなにしょっぱかったのかな…。
さっきのことを思い出して、慌ててその映像を打ち消す。
ダメダメっ。…勉強に集中できなっちゃうから…っ。
わたしは熱くなった顔を扇ぎながら、もう一通のメールを確認した。
『白井さん』
――何だろう……。
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