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「ちょっと」
ミウは俺が強く抱きしめると困った顔をしながら言った。
これじゃあ朝御飯用意できないと顔が語っているのが良く分かる。
「ん…」
俺はそんなミウをぼんやりと見ていた。
ミウの困った顔も俺には微笑ましく見える。
だから俺はミウに顔を近づけると「チュッ」と軽くキスをした。
するとさっきまでジタバタしていたミウの動きが止まり、驚いた顔で俺を見た。
「…ここでキスする?」
「ん…おはようのチュウ」
「はぁ。力が抜けるわ」
ミウは呆れたように言うと抵抗をするのを止めたのか力が抜けていくのがわかった。
俺はそんなミウを支えるように抱きしめる。
そして耳元に唇を寄せると言った。
「朝飯はトーストとコーヒーでいい」
「わかった。じゃあ、あと10分寝る」
ミウはそう言うと目を閉じた。
きっとこのメニューなら急いで起きる事はないと思ったのだろう。
俺は隣で眠るミウを見ながら「ああなんて幸せなんだろう」と朝から思った。
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