1082人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
覗き込んで見たミウは眉間にしわを寄せてブルブルと肩を震わせていた。
…ん?コイツ怒っている?
俺がそう思うと同時にミウの声が聞こえてきた。
「私、あんたと結婚する気ないから」
「はぁ?」
俺はミウの言っている意味が分からなくて間の抜けた声を出してしまった。
そんな俺とは逆にミウは絶対に許さないと言わんばかりに息巻いていた。
「そんな理由で結婚なんてありえない」
ミウが言った言葉が頭を駆け回る。
『結婚する気ないから』『そんな理由で結婚なんてありえない』
…やっぱり怒っていたんだ。
俺の考えを否定するのはわかるけど、でもいきなり結婚を断るか?
それも喧嘩口調で言うか?
まぁ俺も確かに言い過ぎた。
さっきもそうだが相手がミウだとつい幼い頃の癖で言い過ぎてしまう。
俺の言葉にミウが怒る。
昔からそれの繰り返しばかりだ。これは反省しないといけないな。
でも反省しないといけないと思いつつも断れない理由が頭に浮かんでくる。
なぁ。ここで結婚する気ないと言っても、ミウには最大の難関があるだろ?
それを克服できるのか?
「…そんなのわかっている。でも小母さん説得できる?」
俺はトーンを落としながら言うと、口角を上げニヤリとしながらミウを見た。
でもここで小母さんの名前を出すなんて…。
俺って意地悪だな。
最初のコメントを投稿しよう!