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「で、どうだったの?」
行為が終わると理沙さんはベッドから起き上がり、バスローブを羽織ると横にある椅子に座った。
そして徐に煙草を口に加えるとシュッと火をつける。
その姿は妖艶で行為が終わったばかりだと言うのに、また誘われているように感じてしまう。
疲れ切った俺はベッドの中で横になりながら、そんな理沙さんをぼんやりと見ていた。
理沙さんは俺に感想を求めている。
「どうだったの?」とは行為の感想なんかじゃない事はわかっている。
今日はこの為に呼ばれたんだから。
「普通の夫婦って感じでしたね」
俺は率直な感想を言った。
夫婦とは小林先輩の事だ。
先日、俺は小林先輩の家に行ってきた。
田中先輩が遊びに行くと言っていたら、便乗させてもらったのだ。
俺としては単純に遊びに行くつもりだったけど。
その事を理沙さんに告げると、理沙さんはニヤリとして言った。
『あの夫婦の事を見てきてくれない?』って。
そう。俺は理沙さんのスパイとして小林先輩の家に行ってきたんだ。
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