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「君は嘘をついた。そうだね?」
テーブルの上で両手の指を組み、静かな声で、俯く滝沢さんに確認する北野社長。
「……」
無言の彼女。
「……」
答えを待つ俺。
期待していたのは、『はい』の、ふた文字。
答えとしてはそれが一番適切だと思っていたし、それしかないと思ってた。
「……違うんです」
だから
「頼まれただけなんです」
期待していた以上の答えをくれた
「『馬鹿にされて悔しいから』」
涙目の彼女には
「『力を貸して欲しい』って、言われたんです」
心から感謝したいと思う。
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