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サーブ権は相手チームへ移り、守備位置で構え相手サーバーを見据えると、先程と同じくオーバーハンドサーブ……いや、回転がかかっている、速い。ドライブサーブか。
「青木、前へ出ろ落ちるぞ！」
瞬時に反応した青木が辛うじてボールを拾い、俺はネット付近まで上がったボールに向かって走った。打点は低いが打つしかない。相手のブロックの脇をすり抜け、相手陣地へスパイクを放つと、小柄な男が全身を砂地へ投げ打ってボールを繋いだ。
「わー！ ナイスレシーブ矢嶋！」
「相手選手に声援送るなんて余裕だな青木、くるぞ」
「わー！ はいっ！」
矢嶋が拾ったボールを水城がトスに繋げるが、小柄な矢嶋はスパイクが間に合わず、レシーブでボールを返してきた。
「チャンスだ、任せろ」
声をかけてレシーブすると、青木もうまくボールの真下につき、綺麗なトスをあげた。ネットから少々離れた位置だがこのままスパイクへ持ち込める。高くジャンプして相手コートのエンドラインへ狙いを定め、ボールを打つと同時に水城のブロックが入った。
（高い！）
ボールは水城のブロックで見事に跳ね返され、自分の脇をすり抜けた。振り返った瞬間、ボールをレシーブする音が響く。砂地に落ちる直前に、フォローに入った青木がボールを打ち上げていた。
「ナイス青木！」
「頼むハル拾って！」
コートラインを超えたボールを追いかけ、伸ばした右手がボールに届いた。打ち上げたボールはコートの中央まで戻り、青木はそれを無難にレシーブで返す。反撃に備え守備につくと、予想通り水城の力強いスパイクが放たれた。レシーブで応戦したものの、両腕に痺れが走る。打ち上がったボールを青木がトスしてネット付近まで運んでくれた。
「ハル！」
青木の掛け声とともに助走をつけて高く跳ぶ。水城の動きを見ながら狙いを定め、右手指の腹からスパイクを打ち込んだ。
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