プロローグ

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「ハァ……」 下校時間はとっくの昔に太陽と共に空の彼方に消え失せちまったこの学校で、俺、三嶋シュウは自殺志願者よろしく屋上で一人溜め息をついた。誰もいない屋上で一人ぽつんと柵から身を乗り出している姿は本気で自殺志願者に見え、素で警察とか呼ばれそうで非常に落ち着かない。 「……寒い」 季節は夏。いくら日が沈みこんなに高い所に居たとしても、普通はここまで寒くはならない。 ……いや、実際はそこまで寒いわけじゃないが………ただ、この場に感覚的にそれを感じさせる存在がいやがった。"そいつ"が、俺がここにいる理由でもあるんだが―――
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