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「可愛い顔。食べちゃいたいね」
うっとりした声で言われ、けれどそれに明里の顔は一気に青ざめた。
パッと俯いて、カタカタと小さく震える明里に響は息を落とすように笑って、
「………嘘だよ………
君みたいな子どもを相手にするほど、飢えてもないしね」
そう、さらりと軽く言った。
その言葉にはちょっとカチンときて、明里は怯えなからも顔を上げて響を睨め付けた。
「うん。やっぱり、アニはその顔が一番似合うね。可愛い」
「…………………………」
今度は驚いた。
つり目気味の、目付きのキツイ明里は普通に見ただけで睨んでいると怖がられるコトが多い。
睨むなと言われるコトも、怖いと避けられるコトも少なくなかった。
だから、この眼は嫌いだった。
なのに……
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