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「あ、お砂糖安い! 今日はお肉が特売だって!」
そんなヒナを見てヒロキは苦笑する。
「ねえねえ、今晩は天ぷらにしちゃおうか?」
だけど、そんな姿を好ましいと思ってしまうから、
「いんじゃね?」
そう言ってヒナの手から椎茸を取ってカゴに入れた。
これが最近の普通で当たり前な日々。
買い物が終わって、
「あ、悪ぃ。タバコ買って来るから」
そう言われてヒナはお店の入り口で待ちぼうけ。していると、
「あのぉ……」
といきなり声を掛けられて、ヒナは「はい?」と答えた。
振り返ればヒナより少し年上だろか? そんな女性の二人組。
「一緒に居たお兄さんって、篠原ヒロキさん?」
「え? ……あ、はい」
『お兄さん』と言う単語には引っかかったものの、彼が『篠原ヒロキ』であることには変わりないからそう答えると、
「きゃあ! やっぱり!!」
「すっごい! 家って近かったんだ!」
なんて騒ぎ始めて、
「ヒナ?」
その声に彼女達の声が一瞬止んだ。
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