第1章の続き

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 ◇  無性に女が欲しくなり、カブを飛ばし、原宿にある千里の部屋に行った。  高校2年生の千里は、一人暮らしを交換条件に、母親の経営するクラブを手伝っている。  日本人の父親と中国人の母親の間に生まれたハーフで、美形の顔とスラリとしたスタイルは、母親の血を引いたものだと本人も自覚しており、それが自慢でもあるようだ。  しかし喧嘩になると現れる、その中国人特有の気の強さには、いささか閉口してしまう。  お互いに気が短いので喧嘩はしょっちゅう起こる。  千里の口を付いて出る暴言は、まるでマシンガンが発する玉のように無差別に飛んできては俺に当たる。  口で叶わない俺は、その度に適当な女を見つけ、腹いせに浮気をするのがせいぜいだった。
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