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マジで自分を責めたくてしょうがなかった。部長としてなんたる失態を犯してしまったんだ。
腕時計は六時三〇分を知らせている。おそらく時間にうるさい親友が、今にも鬼と化そうとしているかもしれない。
頭の片隅で親友の頭を冷やす方法を考えつつ、ネオは校門を突破し、さらに急になる――校舎前までの坂を、飛んでいるみたいに軽快に駆け上がる。こう見えて彼女は中学時代、陸上部に所属しており、日が暮れるまで毎日走っていたのだ。なので、この二段階坂もネオにとってはお手のもの。あっという間に校舎前。
「あと少し!」
最後の力を振り絞り、昇降口を横切り、裏にあるプレハブ小屋の戸を開ける。
ガラガラガラ!
中には、二人の一年部員が待っていた。
「お、おっまたせぇー……う、うわあああっ!?」
全力で走ったせいで足がもたつき、ネオはビターン! と這いつくばるように倒れ込む。殺人現場で見る死体そのものだ。
「せ、先輩!」
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