【旋 律】後編 第三章

12/31
1530人が本棚に入れています
本棚に追加
/31ページ
  そして亜美が待ち合わせ場所に着くと、5分も経たずに薫が笑顔で駆け寄ってくる姿が見えた。 こちらに向かって来る薫の姿に、 「ちょっと、あの男の子カッコイイ」 という声が周囲からチラチラ聞こえて来て、 亜美は、むぅ、と唇を尖らせたあと、満面の笑みで大袈裟なほど手を振った。 「悪ぃ、待った? うわっ、今日の亜美、やばいマジかわいい!」 顔を見るなりそう声を上げる薫に、亜美は「えへへ、ありがとう」と恥ずかしげに肩をすぼめた。 「じゃあ行こうか、映画始まっちゃうな」 「うん」 二人は手をつなぎ軽い足取りで、映画館に向かった。    
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!