14、とらわれの姫、へっぽこ勇者を待つ

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 卓が歩き出すと、封馬もそれに続いた。  ……洋子。  賢治はなかなか立ち上がることができないでいた。  もう、洋子の気持ちがわからない。  洋子は自分の意志で天野蒼牙のところに行くのか?  あいつのこどもを産むほうが、俺のところへ戻るよりもいいと思っているのか?  ……そのほうが、洋子にとって幸せなんだろうか。 「いつまでへたってんの、賢治さん」  ハッとして、賢治は顔を上げた。 「ごちゃごちゃ考えなくてよくねぇか?  ワクワク部なんてふざけたとこに放り込まれて、嫁まで誘惑されて、ムカつく。天野蒼牙をぶん殴る、充分な理由になんだろお」
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