1074人が本棚に入れています
本棚に追加
/526ページ
卓が歩き出すと、封馬もそれに続いた。
……洋子。
賢治はなかなか立ち上がることができないでいた。
もう、洋子の気持ちがわからない。
洋子は自分の意志で天野蒼牙のところに行くのか?
あいつのこどもを産むほうが、俺のところへ戻るよりもいいと思っているのか?
……そのほうが、洋子にとって幸せなんだろうか。
「いつまでへたってんの、賢治さん」
ハッとして、賢治は顔を上げた。
「ごちゃごちゃ考えなくてよくねぇか?
ワクワク部なんてふざけたとこに放り込まれて、嫁まで誘惑されて、ムカつく。天野蒼牙をぶん殴る、充分な理由になんだろお」
最初のコメントを投稿しよう!