4866人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
オレンジ色の灯りが、和也さんの瞳を、艶やかに照らす。
温もりと、ドキドキが、交錯する。
「さてと、もう一つの想い出を作ろうか?」
片方の口角を上げて、ニヤリと微笑む和也さんの顔。
すでに、右手はあたしの浴衣の紐を解きはじめていて……
「和也さん……」
「『あなた』だろ?」
「えっ!?」
……あなた?
一瞬、はて?と思いながらも、なんだか聞き覚えのあるフレーズ……
えっ、もしかして……!?
「んっ?」なんて言いながら、あたしを窺う和也さんの表情に、昨夜、自分が発した言葉が思い出される。
「もしかして、聞こえてたの!?」
「なにが?」
和也さんのとぼけた表情と、恥ずかしさに一気に紅潮する。
「もぉ……」
なんて言いながらも、抵抗するどころか、いつもよりも大胆に両腕を和也さんの首に回した。
かかる吐息が、くすぐったくて、身を捩れば
逃げるなとばかりに、押さえつける。
「璃子」
「和也さん」
見つめ合い交わすくちづけ……
じゃれあうような夜が、ゆっくりと深まってゆく……
一生忘れることのない、夫婦としての初めての夜……
ありがとう和也さん
幸せいっぱいの想いを胸に抱いて、そっと瞳を閉じた。
***おしまい(*^ー^*)***
最初のコメントを投稿しよう!