砂の箱  【完結】

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「いえ、違います」 「フー(風俗)とか、やってた経験は?」 「いえ、そういうのは、全くないです」 「じゃあなんで?」 「独り暮らししたくて」 「ああ、そういうことね、東京に住みたいのか」 「...はい」 「でもさ、それなら他にも仕事あるでしょ。キャバとかさ、寮があるところ多いし。チャットとかは? 男性と一対一でお話しながら、っていうのもあるけど、そういうサイトもウチ、やっているし」 「いえ、お喋り苦手で...」 「独り暮らし出来るけれど、カメラ常に回ってるわけで、友達部屋に呼べないし、ゆっくり羽伸ばす一人暮らしとは程遠いけど、いいの?」 細い腕をギュッと握り締め、彼女が強く俯いた。 「それでも、いいんです」 「...そっか、ま、コレをきっかけにね、 引越し資金溜めればいいんじゃないかな?うん」 とりあえずの説明と、書類にサインを貰った後、 カメラを掴み、立ち上がった。 「じゃー、とりあえず。サイトに載せる写真撮るから外いこっか」 「え?外ですか?顔写真...。だけとかじゃなくて?」 「そ、あくまでも、盗み撮りしてる映像を違法に配信しているというのが売りで、女の子が合意の下でサイトで顔出ししているのとはわけが違うってこと、」 「これって、違法なんですか?」 .
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