留美の想い

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午後、喫茶店でお茶を飲みながらママさんと話して別れたあと、デパートでベビー用品なども見た。 7月にしては涼しい日だったので、久しぶりに都心の街をブラブラしたのだ。 「二週間くらい前なら銀座に行った日があるわ」 私が答えると、すかさず遥子が口を挟む。 「その日よ! “あれっ?留美?”って思って声をかけようとしたんだけど、かけそびれちゃって……。どうしようか迷って、あとから沙織に伝えたの」 遥子のあとに沙織も言葉を続ける。 「それで遥子から聞いた私は、本当に留美なのか気になって電話したんだけど、通じなかった」 「電話は数ヶ月前に変えたから。以前の番号やアドレスは通じないわ」 「そうだったのね……。だったら今日、会えて良かった」 沙織の言葉に私は冷たく聞き返す。 「どうして家まで来たの? 二人揃って待ち伏せするみたいに」 「留美のことが気になったからよ。そのままに出来なかったの」 沙織は凛として答えた。
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