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開錠して中に入る。私はベッドには向かわずにプールに続くドアを開けた。プールサイドを歩きながら服を脱ぎ落とした。まるで足跡のように服が点在する。縁に腰掛け膝下を水面につけるとそこから波の輪が広がる。ちゃぷん……。縁に突いた手を伸ばし水に体を沈める。ゆっくりと降りたつもりが引っ張られるように足が底に着いた。 「気持ちいい」 冷たい。ヒヤリとする水に身震いした。次の瞬間、消毒の匂いが鼻を突く。歯科医院の匂い。 「どう?」 「さっぱりする。入ってよ」 「ああ」 男も服を脱ぎ、プールに入る。
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