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「てめえ、何しやがる」
「ボケーッとしてる方が悪いんです。そして、仕返し。」
「…お前、いい度胸だな。」
「はい。度胸だけはいいんです。今頃気付きました?」
「…いや、前から知ってた。」
バシャ。
「ちょっと、渉さん!」
パシャ。
「冷てえな!」
バシャ。
パシャ。
バシャ。
パシャ。
「…渉さん、休憩しましょ。」
「…そうだな。」
馬鹿みたいにはしゃぎ過ぎたせいで、少々疲れた。
俺たちはお互いに服に水の染みをつくって、川から上がり、ちょうどいい岩を見つけて裸足のまま二人で腰を下ろした。
自然と隣に。
自然にすぐそばに。
「こうしてれば、服…乾きますよね。」
アイツは空を見上げて降り注ぐ日差しに目を細めた後、自分のバッグからコンビニで買った水のボトルを俺に手渡した。
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